記録を残す
先日、某雑貨屋さんに行ったとき、付箋コーナーをのぞいてみました。
かわいいものがいっぱいあって、ついついあれこれ買いたくなりますが、
「今日は付箋を買いに来たのではない」と自分に言い聞かせ、通り過ぎようとしました。
そのとき目に入ってきたのが手首に巻いて使うメモ。
「あの頃は、手の甲に書いてたなぁ・・・」
ふと、勤務医時代を思い出しました。
血糖値などの検査値や、「ついでにいつもの目薬も出しといて」というような飼い主さまからの依頼など、
”カルテに書くまでの間、絶対に忘れてはいけないこと”を、手の甲に書いていました。
人間の記憶は、鮮明なこともあれば、曖昧なこともあります。
昨日の昼食のメニューは思い出せても、数か月前の日常の出来事についてはなかなか正確に思い出せないものです。
例えば・・・
5か月前、愛犬が皮膚炎になったため、かかりつけ病院を受診し、抗生物質を処方してもらったとします。
しかし、それを飲ませると下痢をしてしまいました。
その旨を先生に伝えると、
「今後この薬は使わないようにします。代わりにこちらの薬を飲ませてください。」
先生は新たに薬を処方してくれました。その薬で皮膚炎は治り、下痢もおさまりました。
これでひと安心。
ここで、ちょっと考えてみてください。
もし、かかりつけ病院が休診で、他の病院に駆け込む必要があったとしたら・・・
他の病院の先生は、愛犬に合わない薬が何なのか、情報を持ち合わせていません。
・20○×年 ▲月: 薬(製品名:□○)を飲ませると、吐いた・下痢をした。
・20△□年 ×月: 注射(製品名:◆▼)したら、具合が悪くなった。
このように日付とともにメモ帳に記録しておくと、いざというとき役に立つかもしれません。
夜間救急など、かかりつけ以外の病院に行かなければならないときは、そのメモ帳を忘れずに持っていきましょう。
行動診療でも記録はとても大切です。
・触ると咬みつこうとするので困っていた。試しに「触るよー」と明るい声で言ってから触ってみたら、ちょっとだけなでさせてくれた!
・眼鏡をかけた中年男性にだけ吠える。(20××年 ●月より前はそうでもなかった。県外のドッグランに連れて行った後からか?)
・20△▼年 □月●日: 部屋の模様替えをした。猫トイレの場所を変えた。
このような日々の記録が、解決の糸口になったりします。
すぐ手に取れる場所にメモ帳とペンを用意して、日々気づいたこと・ふと思い出したことなどをメモしてはいかがでしょうか。
もちろん、スマホにメモでもOKです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
